アルシオーネ

 

 

実用車中心で、スポーツタイプといっても乗用車に毛の生えた程度のバージョンのみのラインナップであったスバルも

レオーネの成功で若干余裕ができ、専用デザインのスポーツラグジュアリー車を出せるようになった。

 

 

くさび型と言われた形は直線的で、当時は直線定規のみでデザインされた、などと実しやかに言われたものである。

レオーネの車台を使っているために必要なホイールベースをとれず、前後のオーバーハングが異様に長くなったなど

批判的な評価が多かった。しかし私には十分魅力的で、「4WDアヴァンギャルド」のキャッチフレーズとともに

まさに前衛的存在として脳裏に刻まれることとなった。(ちなみに当時は、「よん」だぶりゅでぃー・・・と数字のみ

日本語読みになっていることも不自然には思わず聞いていたが、「ふぉー」というべきだっただろう)

 

 

 

4WDのほかに強烈な売り文句がCd値。当時最先端の空気抵抗の低さをアピールしたことは車の売り方として斬新だった。

視覚的にも確かに空気抵抗が極端に低そうで速度的にも燃費的にも有利そうに見えたが実際はそれほど好燃費にもならなかった。

 

内装にも大胆なデザインが施され、やりすぎの意見も多かったが今見れば当時描いた未来が生き生きと表現されて

好ましく思われる。高級感はないにしても心を躍らせるには十分なギミックであっただろう。

 

 

4気筒版が1800cc、のちに追加された6気筒版が2700cc。車格に対して2700はオーバーかとも思われたが

1800は軽い分軽快で価格も低く、雪国のスポーツカーとして特殊な需要もあったようだ。とはいえ同時期に出ていた

プレリュードなどは時流に乗って大人気。販売的にはかなうはずもなく国内登録数はジリ貧になっていったが

アメリカとの合計販売数は10万台に迫る数だったという。国内では超レアな存在だが、アメリカにはまだ

結構な台数が残存しているのかもしれない。

 

すばる星団に属する最もきらびやかな星アルキオネにちなむ富士重工の一番星は、やがてSVXにその座を譲ったのであった。

 

アルシオーネ  1985-1990

 

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