「トヨタ渾身の本格的FRスポーティーカー」との大々的なふれこみが登場のだいぶ
前から流れていた。姿を現す前から雑誌などでは待望特集が組まれ、想像イラスト
なども掲載された。記事を読めば、「トヨタのスカイライン登場か?!」という感じの大物扱いであった。
アルテッツァ
1998年登場のその姿は、大仰なふれ込みとは異なる印象のものであった。
第1印象は「寸詰まりのプレミオ」。当時セダンとしては大いに売れていた
コロナプレミオのオーバーハングを詰めた程度のデザインにしか見えない。
コロナプレミオ
トヨタとしては「FRを出す。」というだけで精一杯だったのであろう。ボディデザインは
大外れしない、ということが最大目的のような無難なものであった。確かに拒否は
されなかったようだが、前評判があまりに高かったせいもあり失望も産んでしまった
ようで、アルテッツァ人気は急速に萎んでいった。
アルテッツァ後方
プレミオ後方
そもそも、FR待望論などそれほどあったのだろうか。よく、ドリフトするにはFR!などと
真顔で言う人がいるが、その中でいったいどれほどの人が実際ドリフトさせながら車を
運転しているというのか。どこにそんな場所があるというのか。疑問である。一方、雪国
ではそのつもりはなくともFRは尻振りをする。ただでさえ路肩の積雪で狭くなっている道で
これは大変危険である。日本の半分以上を占める積雪地帯にFR待望論などは育たない。
しかし、それでも僅かにいるFRファンをつかむにはこのボディデザインは貧相であった。
その上、その名は「ある鉄つぁん」みたいで日焼けにタオルはちまきのオジサンが思い浮かぶ。
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