社名であるいすゞ(五十鈴)の鈴(bell)に由来するといわれる命名は、上級車のベレルと同様である。
1963年に登場したときにはかなりの上格扱いで、次年、国産最初にGTを名乗ったベレットGTは、コロナが
64万円、フェアレディが88万円の時に93万円の値を付けていた。同年登場のファミリアの倍値である。
この車は、ボディスタイル、フロント・リヤデザインともバリエーション豊富で、年式、グレードによって
かなりの種類にのぼった。4ドアセダン、2ドアセダン、クーペ、バンに加え、ワスプと呼ばれるベレット前部を用いたトラック、
そして、ほんの少量ファストバッククーペも造られていた。
東洋のアルファロメオと絶賛する人も多かったようだが、街中で会うベレットは
乗用車の中ではきわめて不格好な印象であった。上から押しつぶされたようなトランク部分と妙に立った前後ウィンドゥ、
辺りをにらみつけるようなリヤランプと顔の真ん中にどかっと座ったリヤナンバー。
この車のイメージは私にはブルドッグであった。
角形異形ランプのものは若干軟らかい表情に見えたが、特に初期の丸ライトの顔つきには
当時のいすゞ独特のやぶにらみの爬虫類のような怖さがあった。
今見れば懐かしさも手伝ってその良さも少しは理解できるかもしれないが、
基本的に「真面目な不細工顔」というイメージは拭い切れそうもない。
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