自動車文化財の絶滅

 

 

トヨタは遂に「プリウスのカローラ化」に成功しつつある。

それも本来の自動車屋としての力よりむしろ、「政治の力」で。

 

 

エコ減税なるニセエコ政策に乗って、プリウスをはじめとする「エコカー」といわれる

車は多いものでは数万台のバックオーダーを抱える事態だという。それもそのはず、

車齢13年以上の車を廃車にし、2010年度燃費規制適合車を新車で購入すれば

減免税、補助金合わせて最大40万円ほどの支援が受けられるからである。

 

 

 

 

 

減税制度は理解しがたい方式になっている。車重が重くなれば要求される燃費も下がる。

つまりは「重い車なんだから厳しい基準じゃカワイソウ」というわけで、収益性の高いでかい

重いミニバンにも、先に書いたようにエンジン296馬力+モーター200馬力で600万円の

クラウンハイブリッドにも適用されるようにしてあるのである。ここには以前のトヨタが

「限られた燃料で長距離を走るには軽量化!」とばかりにパブリカやヨタ8に智恵を注いで

驚異の燃費を叩き出した頃のごく真っ当な発想はない。むしろ13年超の車を絶滅に追い込む

制度を作り上げ、今でも20km/Lを超える燃費と言われているパブリカ等をスクラップにさせて

しまおうとしているのである。今のように肥大し、オートマティック化されていない頃の車たちは目の敵に

されるほど燃料を浪費しているわけではない。クラウンハイブリッドの10km/Lなどより遙かに

優れた燃費で走ることが出来るものは沢山ある。そんな車たちが一時の政治的思惑で消され

ていくのは、明治維新の際に廃仏毀釈が行われ貴重な仏像が廃棄されていったのと同様に思える。

 

こっちの方がよっぽどエコ

 

 

ちなみにエコ減税で100%免税を受けることができる乗用車を持つメーカーは

トヨタ 7車種

ホンダ 2車種

日産 1車種

 

これだけである。マツダ、スバル等下位の会社には全額免除車種はない。

政治力の強い会社に露骨に有利な状況(2009.5現在)であると言えるだろう。

 

 

自動車メーカーが、過去に自らが生み出した自動車文化財を消滅させてまで当面の利益を確保する。

資本主義では当たり前だとされているかも知れないが、環境のことなど本当は考えてもいないのに

最大限にそのイメージを利用しようとするあさましい大企業の姿に暗い気分にならざるを得ない。

 

私の車も13年を超えたため、つい先日販売店から買い換えの誘いの電話が入った。

 

 

 

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