GT-R

 

 

トヨタがスポーツ系の車種を皆殺しにしてしまった時代に日産はあえてGT-Rを

スカイラインから独立させて存続した。これを英断というか愚策というか評価は分かれるが

トヨタに盲従しなかったという点では日産ファンは喜んだかもしれない。

 

 

 

しかし、全く一般人の購入可能レベルからは外れる価格設定になったことから

「スカイラインクーペのボディ流用でも良かったのでは」「フェアレディがあるなら

いらない」との声も呼んだ。だがあえて言えばそういう見方をしている人はまだ

GT-Rについて理解しているとはいえない。GT-Rとは耐久消費財としての乗用車

ではなく、信仰の対象なのである。御神体といってもいいだろうか。

 

 

 

私は土日を除くほぼ毎日、黒いGT-Rを目にするが、現在の道路状況では10Km程度の通勤には

GT-Rであろうと軽トラックであろうと、同じ時間に出発すれば到着時刻にほとんど差はない。

ところがである。信仰対象であるGT-Rは常に私の車を驚異の加速で追い越してくれて

次の信号で律儀に待っていてくれる。そして信号が変わるとまた数秒、目の覚めるようなダッシュを

見せては前の車に追いつきブレーキ、という儀式的行為を繰り返す。到着時刻が違わないにも

かかわらず、である。これを宗教的精神といわずしてなんと呼ぶだろうか。

 

 

デザイン自体は日産がスーパーカーを目指したというわりには余り感銘を受けるものではない。

メキシコの覆面レスラーのような顔と、おなじみの二重丸リアランプが印象に残る程度で

正規のメーカー品という感じがしない。印象が、町の整備工場がいじった改造車に近く

洗練された美を感じさせないのである。GT-R教に入信しなければその良さがわからないのか

もしれないが、ジュークが出てきたときの方が素直に「日産よくやった!」と思えたのが実情であった。

 

 

 

 

 

 

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