ギャランΣ/Λ(エテルナ)

 

 

 

三菱の看板車であったギャランは、ミニバン・コンパクトカーブームや三菱自動車全体のリコール隠しなど

全くの逆風の中にその命運を絶たれようとしているが、過去には時代のスターとなった頃もあった。

 

ギャランΣ(シグマ) 1976

 

思い切りのいい、シャープな線での構成からデザイン面での目新しさもあったが、

その命名に使われた文字がまた強烈な印象だった。「Σ」という文字がいったい何なのか

数学に堪能な人かギリシャ人でもなければわからなかったはず。「Λ」も同様。

 

中年でありながら、そうは見られたくないといった心理的若作りの人は好んでこの車を

選んだ。そこそこ貫禄がありながら決して年寄り臭くない絶妙なバランスがこの車には

あった。Σの好調さを受けて2ドア版のΛも人気になった。セリカほど軽く見られたくないがスポーティイメージは欲しいという人の好みか。

 

 

ΛのデザインはΣと共通するものの、よりアメリカ車の影響が強く、部分によっては

アメリカ車のデザイン盗用かと思われることもあった。大きく後部に回り込んだリアウィンドウ

のあたりがそれにあたるが、室内の明るさにはずいぶん貢献があったはずである。

 

2年後のマイナーチェンジの時にこれらの車に新しい名前がかぶせられる。

「エテルナ」....永遠の意味だそうだが、この言葉はギャランのCMで桑江知子が

歌った「♪モーニング、グッドモーニング、私のエテルナー♪」の歌詞で有名になりこのあとしばらくしつこいほどに使われることになる。

 

ギャランΣエテルナ

 

Σの初期は丸ランプで登場したものの、やがて流行の角ランプになりその後モデルチェンジにより専用異形ランプとなった。

 

ギャランΛエテルナ

 


 

その更に2年後の1980年にフルモデルチェンジしたはずのギャランだったが、先代の

高人気から思い切った形が作れず、マイナーチェンジと見間違うような半端なものができてしまった。

価格はチェンジを機に大幅にアップしたが、どこが変わったかわからないようなデザインに

大金を出そうとする人はもはやそう多くはなかった。(170万円台に。先代は110万円台から。)

2系列の販売店のためにギャランとエテルナの2つの名前が用意されたが実質上は同じ車である。

 

 

 

 

完全なキープコンセプトを狙った割には人気は集まらず、ねらいは完全に当てはずれだった。

三菱としてはより熟成させ、先代の欠陥を克服した作品だったのであろうがあまりにも先代の

デザインとの差が少なすぎた。記憶にあるうちのフルモデルチェンジの中では最も形の変化に乏しい例である。

 

おとなしいイメージの4ドアセダンにGSRターボを追加する、ヘッドライトにまでワイパーを追加する

               などして販売促進したのであったが、柳の下に二匹目のドジョウはいなかった。

 

 

 


 

エテルナΣ

 

丸みを加え、前輪駆動としたΣが1983年、Σとしては3代目になって世に出された。

(スポーティバージョンのΛは3代目を見ることなく潰えてしまっていた。)

下火になった人気を反映するように、周囲にアピールする要素は何も盛り込まれず、堅実な中年の車、といった感じの地味な存在であった。

 

しかしタクシーの世界ではこの車は意外に長命で、今だに走り回っているのが見られる。

おそらく一般への販売を終了した後もタクシー専用として売られているのであろう。天井も

低く、現代の目で見ればタクシー向きではないと思われるのだが、価格が安いのかも知れない。

 

二十数年前のデザインのまま現役車

 

 

 

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