頭上空間

 

 

最近の車は立体駐車場に入らないほどの全高を持つものが珍しくない。ハイト・ワゴンなどと呼ばれる

種のものは特に室内高がウリになっているようだが、走っている姿を見ると???と思うことがある。

 

 

元来、乗用車では運転者の頭の上の空間が握り拳2つ分もあれば不自由はなかった。拳1つ分でも

使用には差し障りない。けれども空間を上方に伸ばすことによって売り上げも伸ばそうという最近の車では

拳ひとつどころか、人間の頭ひとつ分を越える頭上空間を持つものが珍しくなくなっている。車に実際乗って

見るとわかるのだが、前を見て運転している分には頭上に広大な空間があってもさしたるメリットはない。視野に

入るわけではないためである。頭に天井が直接触れる程であれば圧迫感もあるのだろうが

そうでない限りは運転に関係する部分ではない。

 

 

室内高が必要なのは高さのある荷物を積む必要のある商用車である。ウォークスルーバンなどの商用車を

真似た乗用車が派生したことから現在の盛り上がりになったと思われるが、あくまで傍目から見て高い頭上空間が

快適そうに見える、というだけである。座高 1m超、という人ならともかく、一般の運転者にとっては必然ではない。

 

 

 

 

先日、無人で走ってくるハイトワゴンを見た。・・・といってもそう見えただけで実際は、えらく背の低いバアちゃんが

ステアリングホイールの中から前を見て運転していたのである。座高60cm程かと思われるこのバアちゃんにとっては

頭上空間は座高と同じくらいもあるわけだが、何の役にも立っていない。この人にとっては頭の上の高さより、尻の下の

高さの方が重要なのである。だがしかし、こちらの方に配慮している車はほとんど無い。安全運転にとっては頭上空間より

よっぽど大切なのに、である。どこのメーカーでもいいから無駄な頭上空間を競うことから目を転じて、いくら座高の低い人

でも運転に必要な安全な高さを確保できる仕組みに力を入れてはどうか。現行の車の一部に取り入れられている数センチ

程度のシート高調節機構では足りない人たちもかなりの数に上るのである。

 

 

 

 

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