コロナマークU

 

 

トヨペットコロナの1級上はすぐクラウン、という時代にコロナ+0.5級くらいの位置づけで

生まれたコロナマークU。当初はコロナの後継車にする意図もあったようだが、コロナの

従来の客層が離れることも考慮して新型コロナではなく上級コロナとして売り出された。

 

初代の頃からイーグルマスクといわれていた顔つき

 

 

 

2代目のデザインはかなりシャープで、今までのオヤジ臭さを払拭するものであった。

顔つきはアメリカ車の影響も垣間見えるものであったがむしろ、同時期のコロナの

デザインの正常発展系と見た方がよいかも知れない。先代マークUよりも、本家であるコロナ

を意識したというところがあくまで「コロナ」の「マークU」であった立場を物語っている。

 

 

2代目マークU

 

 

 

当時はオヤジ層は30代後半からであった。今のように50を越えてもオヤジ臭のする

デザインを嫌う時代とは異なり、40にもなれば年齢相応に落ち着かなければ。とする

指向が強かった。垢抜けをしたマークUにはついていけず、コロナに戻る人々も

いたほどである。一方、高度成長の中、若い層にも中流意識が芽生え軽自動車から

一気にランクアップしてマークUオーナーになるという飛び級的な乗り替えも現れてきた。

 

 

当時のコロナ

 

マークUは当時の日産の持ち玉であるスカイラインへの対抗作戦として

クラウンの6気筒エンジンを積み込むなどの積極策を見せ、価格的にも

装備的にもクラウンに近づいた。イメージ的にはクラウンの下級車という

位置づけを脱しており、特にセダンのリヤの処理がセミファストバックに

なったあたりがスポーティさでスカイラインに負けたくないとする自負の

表れのように思えた。最も営業的には準クラウン的な位置の方が良かった

                       のかも知れない。

 

マークU セダン

 

鋭角的な顔の両側も決して下品な印象はなく、むしろ知的な表情を演出

するのに成功していると思う。リヤの処理についても、ハードトップは前と

同様の両側吊り上がりの鋭角処理。セダンは落ち着きを狙ってか、逆に

両側下がり型の鋭角処理となっていた。リヤランプ面もハードトップの凸

処理に対してセダンは凹面になっているという手の込んだ差別化であった。

(のちにマイナーチェンジでセダンリヤランプも凸処理に変わる)

 

リヤの処理の違い

 

 

ワゴン

 

この車のワゴンは、バンとは異なる印象をことさら強調しようとしていた。

その表れがリヤランプのデザインであった。それまでの車はワゴンという

名が付いていてもバンと共通のリヤランプで、小さくゲートの両側だけにしか

配置されていないというのが常であった。マークUのワゴンのリヤランプは

特大サイズで、当然ゲートにも大きくはみ出し、車体側とゲート側の双方が

点灯するというゴージャスイメージ。この点ではクラウンに準じていた。

 

クラウンワゴンのリヤ

 

 

現在ではグレードの違いが外見に如実に現れることは少ないが、以前は

事細かに外見での差別化が図られていた。基本的デザインは共通しているものの、

フロントマスク、フェンダーミラー、ホイールキャップなどのデザインは多くの

バリエーションが用意され、予算と好みによってボディカラー以外の部分の選択も

幅広くできるようになっているのであった。画像のマスクデザインもその一部である。

 

フロントマスクバリエーションの例

 

このあとマークUのデザインはシャープな方向に流れることはなく、3代目には大きく方向転換することとなる。

現代のデザインにはなかなか見られなくなった引き締まった知的な印象は、30年以上を経た今も古さを感じさせない。

 

 

 

 

 

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