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4.ミニバンの罪

 

 

オフロード用車(クロスカントリー車)の不気味な流行が過ぎると、90年代初め頃から、今度は

ミニバンなる車が流行り始めた。現車を見れば、ドでかくて「何でこれがミニだ!」と怒りたくなるのだが、

アメリカ文化を無批判に受け入れた結果、アメリカ風呼称をそのまま使っているというだけのことであった。

トヨタがエスティマ、マツダがMPV、日産がセレナなど多人数乗車ができる車を各社が競って売り出し、

それがまたよく売れるという現象が起き始めた。従来の商業用ワンボックスの乗用化はそれ以前からあったが、

乗用専用車としての車種が多く見られるようになってきたのである。

 

  

          商用車の発展系 ハイエース                            新世代 エスティマ

 

エスティマのボディはそれまでの他人数乗用車のイメージを大きく変えるグッドデザインで、

機構的にも各所に工夫がちりばめられていた。ワンボックスに乗るのは恥ずかしいと思っていた

人々の多くも、この形には賛同し、一家の車として積極的に選び始めた。実際乗車すると従来の

ワンボックスより圧迫感があり、土管の中にいるような感じがしたものだが、比較対象がセダンや

軽自動車であったから、ワンボックスからの乗り換え組以外、特に問題に思う人はいなかったようだ。

 

  

マツダ MPV                             三菱 ディオン

 

これらの車の使用法は、週に一、二度は4,5名乗車。年に数度はフル乗車。その他の年250日ほどは

通勤用に1名乗車。というものが主だった。核家族が購入している例も多く、なぜ8人乗りを.....?と

思わされるわけだが、持ち主たちはそんな疑問もなく毎日6〜7つの空席を背に通勤を続けている。

 

これらの車の罪は、無駄な席を数多く運ぶことによる燃費悪化=環境悪化ということもあるが、それだけではない。

 

一家に一台、それも軽乗用車があればそれで十分だった時代、狭い座席に収まり、頭を寄せ合いながら

平凡な家族は幸せに過ごしていた。子供は前席より窮屈な後席で十分満足していた。車というものは

そんなものだと思っていた.......。しかし!ミニバンが子供に教えたものは違っていた。後席は

子供に与えられた広大なパラダイス!お父さんが一生懸命運転している後ろでドタバタじゃれっこOK、

有り余る席の何処に座ろうとOK。自由に移動できる空間!自由に遊べる空間!............!

 

これでも ミニを名乗るか  ホンダ ラグレイト

 

味をしめた子供はもう元には戻らない。セダンの後席には満足し得ない。まして軽自動車など....。

自然に覚えさせられた我慢や順列などはもう関係ない。子供が一番なのだ!?幼少時からのこの刷り込みが

後々及ぼす影響は意外に大きいものだと思っている。子供のためだと思ってミニバンを買う方々、本当に

子供のためになるものかどうか、深く考えた上でお決めいただきたい。

 

 

ブームとしては長すぎるミニバンの横溢はもしかすると今後も続くものかもしない。乗用車のイメージは

すでにセダンではなくなりつつある。発売されるミニカーのほとんどがミニバンとなった現在、子供たちに

とってはこれが標準型であろう。車=ミニバン である。7つの空席を背負って走る人々の再生産が

必定となっている状況は異常であると思う。街中に申し訳程度のデザインを施された「箱」があふれることに

嘆かざるを得ない。箱に車輪を付けるだけがデザイナーの仕事になってしまうのか。

 

 

 

TOYOTA  NISSAN  MITSUBISHI  MAZDA  HONDA  DAIHATSU  SUBARU  SUZUKI  ISUZU  

 

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