スバルの軽自動車はトヨタとの提携によって命運を絶たれようとしている。
トヨタ系軽自動車はダイハツのみでよいという判断からであった。
軽自動車の歴史からはスバルは外せない。
360ccの時代の基礎を築いたのはスバル360であると言ってもいいほどであった。
スバル360
R2
スバル360の時代が長く続いたあと富士重工は後継車としてR2を出した。
偉大すぎる先代に比べR2は成功したとは言い難かったが、2003年スバルは
4ドアの乗用車としてその名を復活させた。
順序は車名とは逆になるが、1年遅れてR1が市場に出されることになる。
R2については旧車名の復活であったが、R1については新車名。「NEWてんとう虫」と
したところを見るとスバル360のイメージ復活を狙ったものであろうが、すでに660cc
になっている排気量では旧車名の復活は出来ず、かといってスバル660という命名も
芸がない。ということでR2を遡りR1の命名になったと思われる。
R2とそっくりで、単なる2ドア版かと思えたが実際には外装に共通部品はほとんど無く、別物である。
その分コストがかかり、車両価格も高めになってしまったがこの辺はスバルらしく、やむを得ないであろう。
他社の軽自動車とは明らかに考え方が違い、室内スペースの確保はあまり重要視されていない。
これは四角い箱だらけになってしまった軽乗用車市場では革新的なことで、その分リスクも高かった。
軽のパーソナルカーという考え方は今までにもないわけではなかったが、いずれもスポーツカーとしての
成り立ちであった。それ以外の例としては強いていえばダイハツのオプティあたりがそこを狙ったものではあったが
台数の売れるカテゴリーではない。そこを敢えて承知で挑戦したスバルには「R2を復活したからには
初代の復活も!」という熱い思いと、軽乗用車の開祖としてのプライドがあったように思われる。
スタイリングは妙に腰高で落ち着きに欠くが、後席スペースへの配慮を切り捨てた思い切りの良さで
まとまり感のある躍動的な形になっていると思う。どうせ1,2人でしか乗らないのであれば四角い4ドア
などよりずっと愛着が湧くデザインであろう。軽自動車にありがちな、女性に媚びた表情にも流れておらず
むさ苦しい男が一人で乗っても悪くない。ここまで腰高になるとリヤの処理にはだいぶ苦労したようだが
やむを得ない範囲か。リヤランプを初代のように飛び出させても面白かったのではないかと思う。
フロントのプロジェクターランプは魚類のような表情に見えるため、普通のランプで良かったと思うが
甘い顔にならないための処理でもあろう。賛否の意見があるスプレッドウイングズグリルについては
あまり似合うとは思わない。そもそもグリルで飛行機を表現しようというアイディアには無理がある。
スバルを傘下に収めたトヨタがiQを発表して話題となったが、そんなものを作らなくてもR1を存続生産させれば
いいではないかと思う。伝統あるスバルにはR1を含む軽自動車の生産停止を提案しておいて、一方でスモールの経験浅い
トヨタが軽自動車まがいのものを作るというのは軽自動車づくりのスバルの経験、実績を無駄にする愚策ではなかったかと考える。
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