マツダR360クーペ
昭和35年(1960)に発表された軽4輪。それまで3輪メーカーだったマツダが乗用車生産に乗り出し、生き残りを図るための
打開車でもあった。書類上の4名乗車を確保してはいるものの、実質上は大人4名は乗れない仕様であったが、価格の安さと
性能、また身体障碍者用としたATの存在もあり,多人数乗車を常としない人たちには大好評であった。
リヤエンジンは後席への遠慮もなく配置でき、サイドビューはミニサイズながらクーペスタイルとなった。
回り込んだアクリル製リヤウィンドウ周辺の意匠は、のちの本格クーペ、コスモスポーツに繋がるのでは
ないかと思われる造形であった。たれ目風のヘッドライトもボディよりやや奥まり、スポーツ車の末弟という
雰囲気を醸していた。実際、非力ながらも超軽量ボディであるため、かなり軽快な走りができたと思われる。
子供二人であれば何とか乗れる後席も、全く無いのとは大違いでちょっとした家族のお出掛けには何とか間に合うものであった。
子供が大きくなって乗車が難しくなれば乗り換えればいいという割り切りがあれば、狭い室内に頭を寄せ合って乗る時間も
楽しく過ごせるものであっただろう。
1人1台時代の現代では、あえてこのような車がほしくなる。外国車のスマートやトヨタのIQなどと並んで
発売されたとしても、この車のデザインを選ぶ人は多いのではないのだろうか。
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