高齢者を英語でseniorというが、通常日本語読みでは「シニア」と言っているようだ。
しかし、「死にや」のように聞こえると云うことで、特に老人の乗る電動車は「セニア」と
言い換えているようだ。この呼び名は特にこの分野に力を注ぐスズキの登録商標らしく、
他社のものは、電動4輪車椅子や電動椅子カートなど苦労して呼び替えている場合もある。
「シニア」→「セニア」のように語感が悪いので言い換える、という例は他にもいろいろあり
「サイネリア」で知られる花の本名は「シネラリア」だというし、江戸の遊郭「吉原」の元の名は
「芦原」であったが「悪し」→「良し」とゲンを担いでの地名変更が行われたのだという。
映画を表す「シネマ」も一時「キネマ」と表記されることもあったようだ。今は「シネマ」に戻ったが。
深海鮫エキスの「スクワレン」も一般に知られるようになってしばらくすると「スクアレン」とする
表記に変わっていたので、「救われん」では健康食品としてまずいため名称変更したのだろうと
思っていた。しかし、こちらはスクワレンを、より安定した性質のスクアレンに改良したようでちょっとだけ違う別物であった。
セニアカーは無免許、ノーヘルで乗ることのできる福祉車両の扱いであるが、一度路上に出れば
一般車両と同じ厳しい状況の中を走行しなければならない。歩道に入り込むにも結構な段差がある
し、充電が不足なら路上で立ち往生である。歩行困難な乗員にとって、単独での運行は非常に大きなリスクを伴っているのである。
セニアカーの最高速は6km/h以下とのことだが、路上では遅ければ安全、という単純なものではない。
衝突した場合は遅いに越したことはないが、遅ければ危険を回避するにもおくれをとるのである。
しかも、バイク、自動車、自転車などの他の交通手段を既に自力運行できなくなっている状態の人が
大半であるから、路上感覚も著しく鈍っている。平気で道路の中央付近にはみ出してくるセニアカーも
時には見られ、実際追突される事故はあとを絶たないともいう。
自分もいずれ足腰が弱れば、この種の車両を利用したいとは思うが、現在の交通環境では大いに不安
である。車両の性能にも不足を感じる。段差を乗り越えるサスペンションストローク、路面を選ばないフルタイム4WDの装備を望みたい。
TOYOTA NISSAN MITSUBISHI MAZDA HONDA DAIHATSU SUBARU SUZUKI ISUZU 他