180SX

 

 

「ワンエイティ エスエックス」と読む。「いちいちなな クーペ」式の命名である。

 

 

これぞスポーティカーという典型のデザインである。尖ったノーズ、なだらかなファストバック

当時のスポーティカー必須アイテム、リトラクタブルライトなど必要なポイントは全て押さえ、

ターボエンジンを積む。しかも大人気のシルビアの兄弟車としての登場。80年代末の車

として盛り込めるものは全て盛り込んだFRスポーツという設定の仕方であった。

 

 

 

このデザイン方式はこの時点では国内向けというよりはアメリカ市場を向いたもので、

トヨタスープラ等、他社のアメリカ向けが主の車も同様のポイントを押さえたデザインを

採っていた。国内では兄弟車シルビアが爆発的大人気で、どちらかというとノッチバック

に人気が移行していたのだが、ハッチバッククーペの利便性を求める声も高く、180SXも

好調なセールスを保つことが出来ていた。180が示すものは紛れもなく排気量で、1800CC。

アメリカ向けには2400CCエンジンを積む240SXが送られていた。180SX登場の年に

自動車税が改訂され2000CC超の車の税金が軽減されたにもかかわらず国内向けには240SXが投入されることはなかった。

 

 

1991年にはエンジンが2000CCになり、出力もアップしたが、車名は200SXになることは

なく、180SXの名のまま販売が継続されるというおかしな事態になった。排気量に由来する

車名が排気量変更にもかかわらず旧排気量を示し続けるのも妙だが、折角定着した車名を

大事にしたいというメーカーの意向だったのだろう。このころにはFRスポーツはだいぶ少なくなり

人気は更にこの車に集まった。新車のみでなく、中古も豊富に出回ったことから改造のベースに

用いられる例も多く、シルビアとの合成車「シルエイティ」なるものも多数造られるに至った。

前部がシルビア、後部が180SXというものだけではなく、その逆も見られた。この現象は

他車では殆ど見られない珍しいものであったと言える。

 

 

この車は兄弟車シルビアがモデルチェンジをし、人気が急落したあとも継続販売され、

一定の人気を維持していた。エアロパーツの装着などにより、末期はだいぶゴテゴテ

した印象になってしまったものの、1998年まで足かけ10年を数える長命モデルとなったのであった。

 

 

爆発的に売れたS13シルビアもそうだが、この車もかなりの台数が街に出たわりには

現在は出会うケースがかなり少なくなっている。改造車が多かったこと、ターボのみの

エンジン設定のため燃費が悪かったことなどもあると思われるが、それにしても、と思える

少なさである。破綻のないデザインであったものの流行りで乗る対象ではあっても、愛着を

持って長く乗ろうという車としては見られなかったことがうかがわれ、気の毒な気がする。

 

 

 

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