タント

 

 

 

イタリア語の「広い」「多い」と日本語の「たんと=たくさん」を掛けたネーミングと言うことだった。

近くで見ると、その名の通り軽とは思えない程のボリュームがある。鼻先を縮めて室内を広く確保

しており、1ボックスにも匹敵するほどなのだが室内レイアウトは全く異なる。実質的に室内をできる限り

有効に使おうとしている1ボックスに比べ、この車はその広さを実質的に活用するより雰囲気を優先した

使い方をしている。前席の位置が1ボックスよりずっと後ろで、前席からフロントウィンドウまでの距離が長くなっているだけなのである。

こういう室内の使い方をする理由の1つは既存の車(ムーブ)の小規模な改装で仕上げるということ、

外装とホイールベースの他にはあまり多くをいじらず仕上げる(開発費)。2つには先端から座席まで

の距離を稼いで衝突時の衝撃吸収ゾーンを多くとる(安全面)が挙げられると思うが、それにしても街で

見かけるタントのドライバー前面の広大な空間は無駄に思える。あまりにフロントウィンドウが遠く、

運転中は窓の曇りをふき取ることが出来ない程なのである。この、ドライバーがフロントウィンドウを

コントロールできない状態は、結構危険な要素を含む。豪雨の夜などは外を窺うためには

フロントウィンドウに顔を近づけないと前方がよく見えないということを経験した人もいるであろう。

その上、窓拭きもままならないのでは悪天候時はかなりの不利益を背負い込むことになる。

位置的には1ボックスの前席を外して2列目の席から運転するような感じになるであろうか。

それほどまでにして遠いフロントウィンドウを求める必要はないのではないか。ダッシュボード上は居住空間ではないのだから。

 

良くいえば「空間を贅沢に使う」、いい方を換えれば「空間を有効に使っていない」つまりは「雰囲気的に

広い」状態を味わうための車である。実質的に広い空間が欲しい人はアトレーを選ぶべきであろう。

 

実質有効空間はムーブと大差ない

 

 

 

 

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