トヨタの儲けは国民の損
2015年3月期のトヨタの純利益は2兆円越えだという。
普通に考えれば、外国で稼いで日本を潤す優良企業ということになろうが、このところのトヨタは一概にはそうは言えなくなっている。
海外で売れに売れて大増産の結果の大幅利益増とは言えないからである。
この利益の要因は、最も大きいところでは、日銀が無理に作り出した円安。
輸出企業にはいいのであろうが、輸入品に頼る国民生活には負担増になるのみである。
今まで買えたものが割増の値段でしか手に入らない。上がらない給料から出ていく金のみが増えてゆく。
「原油安だ―」なんて、国民はガソリン1リットル130円程度で喜んでいる。が、日銀が円安を作り出さなければ
1リットル100円以下になったところだ。つまりトヨタをはじめとする輸出企業が手にした円安差益は
一般国民が過剰に負担することになった円安損をまんまと頂いただけである。
そのうえトヨタはエコカー関連の負担軽減制度による国の代替負担の金額のほとんどを手にしている。
エコカー減税、取得税減免、エコカーへの補助金は本来負担すべき人や企業が負担せず、エコカーを購入しなかった人
またはエコカー関連の商売をしていない人たちが間接的に負担している。
プリウスが爆発的に売れ始めたのは国が1台につき約40万円の補助金を付けたからである。
個人の財産形成に国が金を出す。車種によっては100万円も補助してもらえたのである。
古い車を乗り続ける人、また、車を購入利用していない人には決して出ない補助金。
この補助金のほとんどがトヨタに飲み込まれていった。言うまでもなく、国の金とは我々が納めた税金である。
更には信じられないことに近年までトヨタは法人税を納めていなかったのである。
トヨタの豊田章男社長 2014年3月期の決算会見 トヨタ自動車の2014年3月期連結決算によると、グループの世界販売台数が世界で初めて年間1000万台を突破。 売上高は前期比16.4%増の25兆6919億円、営業利益は6年ぶりに過去最高を更新して、73.5%増の2兆2921億円。 税引き前当期純利益は73.9%増の2兆4410億円の好決算だった。 まさに、トヨタは「世界一」の自動車メーカーになった。 この結果に、豊田章夫社長は「一番うれしいのは納税できること」と喜んだ。豊田氏が社長に就任したのが2009年6月。 「社長になってから国内では税金を払っていなかった。企業は税金を払って社会貢献するのが存続の一番の使命」と語り、 「納税できる会社として、スタートラインに立てたことが素直にうれしい」と話した。 トヨタ自動車は、たしかに法人税を払っていなかった。そのことは広報部も「この5年間は払っていません」と認め、 「13年度分を、この6月に納めます」と話している。
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大企業優遇制度の利用や節税がいかにうまいにせよ、この大企業が5年間もサラリーマン1人よりも(法人)税を
負担していなかったというのはあまりにひどい話だ。しかも、補助金や戻し税の交付は平然と受けていたのである。
そうやって得た莫大な資金は補助金を出してくれた国に納めるのではなく、内部留保として貯めこんでしまう。
全体利益からすればほんのわずかな金額を自社社員の一時金に上乗せする程度で、国の経済活性化への貢献は低調である。
トヨタに得をさせるために、国が資金をつぎ込む。しかし暴利を得たトヨタは利益を国には還元しない。
営利企業としては利益の抱え込みは不思議ではないが、いきさつから考えれば著しく不当であろう。
15兆円もの内部留保の原資の多くは我々日本国民が負担したものだといってもいいくらいのものである。
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