WILL

 

 

1999年に始まった異業種合同プロジェクトの統一ブランドとして

設定された「WILL」には自動車業界からトヨタが参加した。

というよりはトヨタが他社に働きかけたものであった。

 

消費者がブランドでものを買うようになれば、生活のそれぞれの

場面で使うものに統一したブランドがあれば好都合ではないかと

考えた実験的な取り組みであったが、各社とも本来の自社ブランド

との違いを過度に意識したためか妙な製品も目についた。

 

2000年登場

 

トヨタのWILLへのデビュー作は2000年のVi(ヴィアイ)。

カボチャの馬車のイメージというふれこみで現れたその姿は

日本車としてはマツダキャロル以来かと思われるクリフカットと

呼ばれるリヤウィンドウの処理が特徴的だった。昔の刈り上げ少女

のようなその姿は一部のおもしろ物好きに受け、当時街に溢れすぎていた

ヴィッツに飽き足らない人にとっての選択肢となった。

 

2001年登場

 

次の年にはVs(ヴィエス)と名付けられた戦闘的な形のWILLが発表された。

Viが女性向きだったのに対し、今度は男性客を狙ったものと思われた。

緊張した面を張り巡らすデザインでWILLブランドには合わないかとも思われたが

ぬるい形のコンパクトカーに乗りたくない人たちが選ぶには良かったのかも知れない。

 

個人的には極狭のリヤサイドウィンドウが実用上問題がある感じがした。

中に座っていても閉塞感、圧迫感のある不快な空間のように思われた。

リヤスタイルはアニメキャラクターのガルル中尉みたいだった。

 

 

2003年登場

 

第三弾はサイファと呼ばれる奇妙な車だった。不細工な顔に更に黒目線を

入れたようなデザインは、どんな人に気に入ってもらえるのか全く予想できない

ものであった。可愛くもなければかっこよくも知的でもない実験的な顔は、

初期のミラージュディンゴのようなインパクトをねらったものであったのだろうか。

e-bookなる情報装置を搭載したのが売り物であったのだが、車に取り付けられた

端末は携帯電話の発達に遅れを取り、結局1年持たずに一部サポート打ち切りが始まるという

悲惨な扱いで購入者の失望を招いた。無論車本体も不振で、WILLブランドも2004年には崩壊

してしまい、プロジェクトは失敗となった。サイファはその中で話題にもならず消えていった。

 

この車のシルエットだけは、その後のブーン/パッソに影響があったかも知れない。

 

 

 

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