「公務員削減」が時代のキャッチフレーズのようになり、あたかも公務員さえ減れば
その他の人々には幸せが訪れるかのような錯覚が意図的に起こされているが、それは
幻想に過ぎない。なぜならば我々の負担は今までと変わらないどころかむしろ増やされて
いるのに、提供されるべき公のサービスが削減されてゆくことを示しているからである。
公務員は税金から人件費が支出されている代わりに、納税者+免税者に対して公共的な
奉仕をおこなうことになっている。それはゴミ収集、病院、学校、消防、警察ほか生活全般に
かかわる重要な部分である。公務員の削減は我々の生活を支える部分を縮小しようという
方向での改革であるが、それなら負担の方も削減して欲しいものだ。それ無しの公務員削減は
「ざまあみろ」という個人的な鬱憤晴らしにはなるかもしれないがそれ以上のものではない。
先日、バイパス道路で疾走する赤いRX−7とすれ違った。相当のスピードオーバーである。
しばらく遅れてサイレンの音。一生懸命走ってきたパトカーは・・・プラッツであった。
頑張る気持ちはわからないではないが、追いつくのは難しかろう。
以前、レガシィやカペラのパトカーが停まっていた交番に、プラッツやカルタスが代わって置かれて
いることが多くなったような気がする。これも予算削減か。パトカーの最高速が検挙率を大きく左右
するとは思わないが、捕まりそうなパトカーと、振り切れそうなパトカーとでは犯罪抑止率が多少差が
あるようには思う。公務員削減と共に予算の削減もあるだろう。台数を揃えるためには単価の低い車種
にせざるを得ないという事情も見え隠れしている。RX−7が捕まらないというだけならまだいいのだが、話はそこに収まらない。
公のサービスのコスト削減によって影響を受ける場面は多い。人件費(給料)の低下によって人材の
質は確実に下がる。定員削減によってはじき出された余剰人員、そして公務員志望者は民間に流れ
ざるを得ず、ただでさえ厳しい雇用状況の中での争いをさらに厳しいものとする。今まで公務の世話に
なっていた無償サービスの中にもいずれ近いうちに有料化されるものも増えるだろうし、場合によっては
有料民間サービスを個別に依頼しなければならなくなることもあるだろう。(たとえば:図書館や消防・
救急車の有料化)。−−−低下した給料に愛想を尽かした人材は民間に流れるだけであるが、残った
安い人材は害をもたらさないだろうか。今でさえ報道される警察官、教員などの不祥事は増加する
だろうし、人手不足は住民を守らなくなる。一方それならばと自衛隊を軍に強化するなどという憲法
改定案も出ているが、これは国民を守るものではなく、国民の手の出せない「殺人」という特権の与えられた
「特殊公務員」を生み出す結果となってしまう。
RX−7 vs プラッツ を見てここまで考えなくてもよさそうなものだが、一見胸のすく公務員削減が
遅かれ早かれ周り回った形で納税者にダメージを与えるのは間違いないであろう。
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