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1993年、セリカの兄弟車として登場。セリカの派手なデザインでは気恥ずかしいと感じる、若干
大人の年代向けに用意された性能的には全く同等の車である。
カレン
ファストバックのセリカに対し、トランク付きの落ち着いた感じのボディ。取り立てて強調
するようなポイントも見あたらないが、変なクセも無い好感の持てる各部の処理である。
セリカとシルビア
兄弟車セリカよりはむしろ、同時期に出された日産のシルビアに似ている。当時、税制の変更で
3ナンバーでも2000cc未満であれば従来と同じ5ナンバー並みの税金となったため、ボディを
拡幅して3ナンバーに仲間入りする車が格段に増えた。コンパクトで機敏な動きが売り物だった
はずの車たちがこぞって肥大化したものだから、その存在価値が曖昧なものとなっていった。
このあと間もなくこのジャンルの車が集団絶滅の危機に瀕するが、その遠因となった出来事である。
カレンはその名のイメージからも、女性向けの一面があったと思われる。車体のどこにも
攻撃的デザインは見られず、知的で穏やかな雰囲気が湛えられている。実際に多くの女性が
これを購入したかはわからないが、綺麗な人には似合う車であっただろう。
この車の先祖はコロナハードトップであると思われる。トヨタは古くからファミリーカーのコロナにも
スポーティバージョンを用意してきた。トヨタ2000GTに次ぐ性能を与えた1600GTにもコロナのハードトップボディを与えていた。
トヨタ1600GT
歴代コロナには地味なセダンの他にスポーティバージョンが用意され、幅広い需要に応えようと
していた。これは乗用車創生期に誕生した車種の特徴で、コロナの場合、他にバン、5ドア、
初期には2人乗りトラック、4人乗りピックアップなども設定されていたほどである。(クラウンにさえトラックがあった!)
コロナハードトップ
その後ハードトップはクーペになるものの相変わらずセリカより1枚大人のデザインは踏襲されていた。
コロナクーペは落ち着きとスポーティさを兼ね備えた知的なセンスを持ったグッドデザインで登場した。
この時代、人気はソアラ一極集中だったが、デザインの質はこちらが上だと思う。
コロナクーペ
しかし、そのソアラの成功により、一車種がセダンもクーペもバンも持つという時代が終わったことが
確認された。売れたのは「クラウン2ドアハードトップ」ではなく別の名を持つ「ソアラ」だったからである。
カローラからレビンが、スプリンターからトレノがそれぞれ切り離され、コロナからクーペが切り離されて「カレン」の誕生となった。
しかし、時代は2ドアクーペには冷たくなっていった。折しも4ドアクーペとも言えるカリーナEDが
大ヒットし、同じ車台を使うカレンもその売れ行きにあやかるために4ドアになることを求められた。
再び「コロナ」EXIVの名を冠したED兄弟車の4ドアクーペへの変身により、2ドアクーペ、ハードトップの系譜は断絶した。
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