レヴォーグ
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「LEgacy」(大いなる伝承物)、「reVOlution」(変革)、「touRinG」から作られた造語に
由来するというその名は、耳に新しかったが、その実態は北米向けに大きく振られた
レガシィが国内で愛想を尽かされたことに対応したリリーフカーとも言える存在である。
レガシィは2009年のモデルチェンジで大幅に肥大化し、日本人ではなくアメリカ人のための
設計を優先したために国内では従来の人気を失う結果となった。インプレッサの肥大も
あったため、従来のレガシィユーザーがインプレッサに移行してくれれば間に合う話にも
思えたのだが、格落ちイメージのある乗り換えには誰も動かず、スバルファンは他社への
乗り換えも視野に入れなければならないかもしれない状況になっていた。
状況を察知したスバルはレガシィはそのままに、従来のレガシィの位置に新ブランドを
差し込む形にした上で、ユーザーの流出を留める策を練ったのか、リリースのかなり前から
実車の姿を隠したままのCMをテレビ等で多数流して他社への買い替えを足止めする
に至った。従来のスバルユーザーはこれを見て「まあ、急がなくてもいいか・・・・」と思いとどまったのである。
そして発表されたのは、まさにレガシィツーリングワゴンの正統的後継という形であった。
「国内のレガシィファンの皆さんお待ちどう様でした!」とレガシィと呼ばれなくなった実質レガシィは
デビューした。こんなことをするのであればレヴォーグという拡大レガシィを北米に輸出し、
これをレガシィとして出せばよかったのにと思えるが、この種の過ちは日産ブルーバードが
ブルーバードUに移行しそこねた例にもあるように各社に時々見られるものである。
リリーフレガシィとなったレヴォーグは実質的にはインプレッサで、問題の一つであった
レガシィの美点であった5ナンバーサイズへの回帰も果たせてはいない。
「レガシィが戻ってきた!」と喜んだお父さんも、3代目までの歴代レガシィをギリギリ収めてきた
狭い車庫にはレヴォーグは収まらないことを知り、再びのがっくりを味わっただろう。
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