広告より５
日産 スカイライン
車のCMが男女の恋愛のイメージで飾られることはかつてはよくあったが
その中でも最も影響の大きかったものが「ケンとメリーのスカイライン」であった。
アイアイ傘のマークまで専用に作られ、ステッカーだけの販売もあった。
CMで用いられた曲はヒットチャートを登り、Tシャツやパラソルも世に溢れた。
肝心の車の写真は広告全体の半分以下の大きさで、ケンとメリーとされる男女の
表情がメインになっていた。この車を買えば恋人も同時に手に入るかのような広告法であったが
後のホンダが「恋愛仕様」と標榜し、カーセックス専用車を宣伝したものとは異なり
どこか架空の世界のような淡いさわやかなムードが漂う印象の仕上がりだった。
「健二と芽衣」ではなく「ケンとメリー」というところも現実から若干遊離したふわふわ感を出すのに
役だっているのだろう。しかし、現実的にはこの車は画像のような若造には価格が高すぎた。CMの
影響で無理して乗っている者もいたが、みんな給料の大半を長期ローンに突っ込んでいたのである。
現実的に若造が手を出せる車として後に日産が用意したのは、パルサーに
スカイラインの顔をくっつけたラングレーであった。
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